今日の講話「呉広道院 高橋貞夫道院長のご逝去に関わって」

8月27日(土)に、呉広道院の道院長である、高橋貞夫先生がご逝去されました。89歳でした。呉広道院は、呉安浦体育館支部とも親交があり、数名の拳士は、高橋貞夫先生に入門式をしていただいています。また、支部長自身は、10代のころ呉広道院に出稽古に通い、高橋貞夫道院長の教えを受けています。8月28日(日)の通夜に参列させていただき、お別れをしました。本日の稽古では、このことについて、講話をしました。

呉広道院の高橋先生が、この土曜日に亡くなりました。みなさんのなかには、直接お会いしたことのある人もいますね。私は、昨日の通夜に参列させていただき、お別れをしてきました。私も、まだまだ教わりたいことがあったのですが、もう教わることはできません。本当に、残念です。

呉広道院には、長い間、高橋先生の教えを受けてきた先生がおられます。これからのその先生を中心として、高橋先生から教わってきた技法を、再現しなくちゃいけないと思っています。まだ、完璧にできる人はおりません。しかし追い求めればいつかできると思う。これは、直接手をとって教えていただいた者の責任であると思っています。なぜならば、少林寺拳法の技法というのは、ビデオにとって保存できるというものではないのです。手をとって、体でもって覚えて、伝えていかなければ、なくなってしまうものなのです。私は、高橋先生から、たくさんのことを教わったわけではありませんが、高橋先生にかけてもらった技の痛みや、高橋先生の腕を握ったら、指が離れなくなってしまったことを、よく覚えています。頭よりも、体が覚えています。

私が、ただ同然で少林寺拳法を教えているのも、一番の動機は、こうして少林寺拳法を伝えないといけないと思っているからです。私は、幾人もの先生方から、それはもう、沢山のことを教わりました。それで、ずいぶん上手になったと思います。けれど、多くのことを教わり、自分のものにするなかで、こんな気持ちが膨れてきました。「これを、自分だけのものにしていていいのか?」。技は、お墓にはもっていけません。それどころか、誰かに渡さなくては、なくなってしまうのです。これだけ素晴らしいものをなくしていいものか。教えなくてはいけない、誰かに渡さなくてはいけない。そんな気持ちで、安浦支部をつくったのです。

だから、君たちのなかの幾人かは、私から教わったことを、必ず誰かにパスして欲しい。いずれはすべてを伝えます。そうして次へパスして、また次の人がパスして、そうして少林寺拳法は続いていくんです。今日は、稽古に来てくれてありがとう。

人から人へバトンをわたすように 継承する これが道場で行われていることなのです

今日の講話「呉広道院 高橋貞夫道院長のご逝去に関わって」」への2件のフィードバック

  1. 鷹取 智 返信

    合掌 高橋先生 お世話になりました。どうぞ安らかにお眠りなされてください。鷹取 合掌

    • kurodayutaro 投稿者返信

      コメントありがとうございます。道着と帯をもっていかれたそうです。きっと開祖の許にお帰りになられ、かつての拳友の皆様と修行に励まれているのでは、と思います。 合掌

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