今日の講話「危険に反応できる身体づくり」

呉安浦体育館支部の稽古では、毎回、支部長による講話を行っています。小さい子供でも集中して聴けるように、2分から3分の短い講話にしています。講話のテーマは、少林寺拳法の教えや、社会でのできごとについてです。今日の講話では、「危険に反応できる身体づくり」について、お話をしました。

休日に、2歳の娘を公園につれていったときに、こんなことがありました。娘が滑り台に上ろうと、階段を上ります。そのすぐ後ろに、同じ年ぐらいの男の子が登ってきます。距離がかなり近い。男の子が、娘の腰のあたりを見つめています。そのとき、私ははっとしました。「この子、やるぞ」と。そして案の定、男の子は、娘の腰を手でつかんで、引きずり落とそうとしました。あらかじめわかっていたので、私は娘を抱き上げて、誰もけがすることはありませんでした。

なぜ、男の子が娘を引きずり落とそうとしたのかは分かりません。でも、引きずり落とそうとしていることは、2秒前に分かったのです。なぜ、そんなことが予知できたのか。それは、今考えれば、当然できることだったんです。なぜなら、普段の稽古で、相手と相対して、「いつ攻撃してくるか? 今か? ……今だ」と。相手の動きを予測する訓練をしています。稽古を重ねれば、相手の動きは「事前に見える」ようになる。だから、娘が引きずり落とされることが分かったんです。

危険を予測する力をつけることは大事です。しかし、これは理屈でいっても仕方がないんです。稽古しなければ、できるようにはならない。そして、いざというときに身体が動くかどうかの違いは、結果に大きな影響を及ぼす。私の例で言えば、下手をすれば保護者同士の泥沼の争いになったかもしれない。でも、そうはならなかった。守ることができたからです。

少林寺拳法の稽古は、二人一組になり、攻者の攻撃に応じて、身を守ることをします。攻者はいわば、「危険」です。守者は「危険に対処する」訓練をしているんです。だから、本気でやらねばいけません。本気で攻撃しましょう。そして、本気で身を守りましょう。そうして身についた力は、道場だけで生きる力ではないんです。本物に力がつくように、さらに稽古を頑張りましょう!

日常にも危険はある 道着を着ていなくても 危険から身を守れるように

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