今日の講話「少林寺拳法に用いる理法2」
前回は、少林寺拳法に用いる理法として、「鈎手の理」「梃子の理」「車の理」を紹介しました。今日はそのお話の続き。本日の稽古と関連づけて、理法をもう二つ紹介します。
一つは、「はずみの理」です。本日の稽古では、防具をつけて、突き蹴り当てる練習をしました。強い威力をだすにはどうすればいいでしょうか? みなさんは、適当な距離を置いて、勢いをつけて突き蹴りを当てようとしていたはずです。それが、はずみの理です。全くのゼロ距離から、威力のある突き蹴りをだすのはとても難しいことです。遠くから勢いをつけて当てられればいいのですが、手足が無限に伸びるわけでもない。自分の手足の長さを理解して、最も威力をだせる位置で、突き蹴りをだすことが肝要です。
二つは、「経脈の理」です。突き蹴りに関していえば、急所を狙って当てましょうということですね。防具をつけていないときに、急所に当てるのは危険ですが、防具をつけているときは、積極的に急所を狙うとよいでしょう。読本には、少林寺拳法で使用するのは78種138穴とありますが、平生から意識する急所は、10個程度で構いません。中段ならば、「水月」、「三枚」、「横三枚」。上段ならば、「三日月」、「三合」、「四合」、「三角」ぐらいを狙えればよいと思います。これらの急所の位置は、覚えましょう。
演武の練習をしているときに、 私が、「その突き蹴りは当たっていないよ」、ということがありますね。そういうときに、「はずみの理」や「経脈の理」を思い出してください。確かに、「はずみの理」が生かされていない、「経脈の理」に適っていない、ということが自覚できるはずです。大切な理法ですから、常に意識して稽古をしてくださいね。